先日の「百人一首を読み解く」講演で、面白かったお話をいくつかご紹介。
源融(河原左大臣)は、光源氏のモデルとなった人と言われ、風流人で有名(つまり遊び人)。六条鴨川に創設の河原院(庭園)は東京ドームより大きく、池に海水を運ばせて海の魚を泳がせていました。
この庭園を小ぶりで作ったのが渉成園(枳殻邸)で、私は4月に「あずきフェスタ」で行ってきたところでした。
源融の人となりがあちこちに出ていて、探すのも面白そうです。
*百人一首
陸奥の しのぶもちずり 誰故に 亂れそめにし 我ならなくに
(恋文・あなたのせいで心が乱れていますと男前の源融がうたっています)
*今昔物語 巻27
自分亡き後、お気に入りの河原院が人にわたり、「ここは私の家だ」と霊となって表れたが、子孫に譲ってもらったと言ったらそれから出なくなった。
*大鏡
天皇家に生まれながら、子だくさんで皇室を離れた。天皇になれない悔しい思いを慰める。(能の融)
*伊勢物語 第81段
河原院で夜明けまで宴会をした話が出ています。